八月に生まれる子供/大島弓子

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わたくしの人生のバイブルといっても過言ではない大島作品の中でも、いちばん泣けた作品。
大島作品の登場人物たちは、尋常じゃない出来事が起こったときでもどこか平坦でポジティブで俯瞰的だ。
たとえ感情を表に出す場面があっても、どこか滑稽に見える。
でも人生ってほんとうはそんなものなのかもしれない。

それを見抜かれている感じがする。
ものすごいハッピーエンドだとか、奇跡的なラストシーンとか、そんなものなくても感動は浸透する。

圧倒的な力を持った正義の味方なんて出てこない、それでも母親だとか平凡で我慢強い彼氏だとか、そんな人たちが起こす小さなミラクルだとか愛だとかは鮮明に刻み付けられる。

物語
大学の夏休みが来た。彼氏とともに『幸福の幕開け』を祝うはずだった。
しかし、突然訪れた『奇跡的な不幸』。
なぜか若いはずの主人公の肉体はその日を皮切りにすさまじいスピードで老化していく。
医者に聞けば奇病だという。治療法もない。
毎週待ち合わせをしていた彼のところへ、老婆の役を演じているのだと嘘をついて会いにいく。
彼は笑って受け入れる。彼女に自分のひいおばあちゃんとのエピソードを思い出したりして。
しかしそのうち、彼女には曜日の感覚すらなくなっていく・・・。

(単行本:ロストハウスに収録)

蝶々のキス/片岡吉乃

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とっても大切にしている一冊です。
この主人公に超萌え萌えしてしまうわたし(笑)

ほそーくて小さくて、まさに華奢な未発達な感じのする主人公のマリ。しかしその中に潜むエロティックさがわたしにはたまりません。

自由に羽ばたくことを捕らえられ、閉じ込められ、窒息した蝶―家庭の中でのマリはまさにそうです。
静かに本を読んでいても父親に取り上げられ、破られ、そのアル中の父親から性的虐待を受けます。
それでも自分の感情を表に出すことはなく、現実も非現実も明確にせず、淡々とふわふわと生きていくマリは、どことなくアウトローで素行が悪く、しかし周りの同年代より確立、悟りがある感じがする尾崎に惹かれていきます。
それでも恋愛としても際立った進展はなく、現実の十代にありがちな、決まった道筋をもたない日々が紡がれていきます。
それはとてももどかしく切なく美しい、誰もが振り返るときに濃密で甘やかに思える日々へと熟していくのです。

きっと少女だった頃があったからこそ、そしてそれはきれいなんかじゃなかったと思うのに、それでも思い出してはノスタルジックな気持ちになるからこそ、この作品はとても静かで透明で、しかしからだの奥のほうから一筋の涙がついとこぼれるのです。

物語
「彼がわらいました つられてわらいました 私は15で夏だったのです」

お酒を飲むと怖くなる父親、いつもマリのとろさを咎める姉、夫の浮気を知りつつ悩みつつ何もできずにいる母親・・・。
本を読むことが好きで、静かになにかを見つめながら生きているマリ。
釣りが好きで無口でどこかみんなとは違う尾崎くんには、なにか自分にはないものを感じて惹かれていく。
それは『自由』なのか、それとも『行動』なのか、それとも・・・

中学3年生から高校卒業までのマリの夏を描く。

 

フルーツバスケット/高屋奈月

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いやー・・・透ラブ(笑)

23巻完結しましたね。
夾くんと透が大好きです。

もう説明不要ってくらい世界的に有名な少女マンガですが・・・。

作者の絵の向上も、まあこういうロングヒット作品にはつきものですが、髪の毛の描き方が途中から神レベルに美しくなってますよ。

ネタばれは避けますが、透という人間を通して草摩家の十二支たちが変わっていく。
やはりそれがテーマなのでしょうか。
透は虚像に感じられるくらいの慈愛と母性の持ち主ですが、透の中にも誰しもが抱える闇があって、それは人を愛する、人に奉仕したり人を理解したいと思うことによって自己の存在も証明しようとする、存在の意義を他者に求めるという弱さなのかもしれません。

あと、アニメですが主題歌とかヤバい。
岡崎律子さんがお亡くなりになってしまったのはとても残念ですが、こんなにも胸が熱くなる曲を残してくださって本当に感謝です。

物語

母に先立たれ、テントで暮らす女子高生・本田透は家事の腕を買われ同級生にして学校のアイドルである草摩由希の家で暮らすことになった。
しかし、草摩家の人々は、転んだ拍子に抱きつくと草摩家の人々が十二支の動物に変身するという呪いを抱えていた。
由希のライバルであり、十二支の呪いを持ちながら十二支ではない猫の物の怪が憑いた、草摩夾との同居も始まり、透は草摩家の面々を楽しい生活を送ることになるうち、なんとか十二支の呪いを解きたいと思うようになるのだが・・・。

 

黄昏/岩舘真理子

これは・・・やばいです。
あまりにやばいのであまり見返すことはないです(笑)

短編でこれだけ泣かせるのはさすが!という感じですよね。
岩館作品の中でも、格別に悲しい話だと思います。
1993年の作品です。

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物語
小さな幸せに満足しながら老後を過ごす両親。そんな親を「小さく」て「みすぼらしい」と、バカにしている大学生の息子・拓郎。やがて両親との別れはあっけなくやってくる……。「親」と「子」の永遠に埋められない溝を対比的に描き出した珠玉の短編。

なんと!この作品で岩舘先生がインタビューを受けているサイトがありました!!

 

 http://www.s-woman.net/mangaar/bn/0712_3/index.html

今でも、親に反抗したり、仲良くしたりを繰り返している中で、これを読むたびになんともいえない親と子の距離感の悲しさに涙が出ます。
うちも離れてくらしていますが、貧しくともつつましやかに暮らしている両親なので、時々『親の幸福』というものを考えてしまうのです。