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八月に生まれる子供/大島弓子

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わたくしの人生のバイブルといっても過言ではない大島作品の中でも、いちばん泣けた作品。
大島作品の登場人物たちは、尋常じゃない出来事が起こったときでもどこか平坦でポジティブで俯瞰的だ。
たとえ感情を表に出す場面があっても、どこか滑稽に見える。
でも人生ってほんとうはそんなものなのかもしれない。

それを見抜かれている感じがする。
ものすごいハッピーエンドだとか、奇跡的なラストシーンとか、そんなものなくても感動は浸透する。

圧倒的な力を持った正義の味方なんて出てこない、それでも母親だとか平凡で我慢強い彼氏だとか、そんな人たちが起こす小さなミラクルだとか愛だとかは鮮明に刻み付けられる。

物語
大学の夏休みが来た。彼氏とともに『幸福の幕開け』を祝うはずだった。
しかし、突然訪れた『奇跡的な不幸』。
なぜか若いはずの主人公の肉体はその日を皮切りにすさまじいスピードで老化していく。
医者に聞けば奇病だという。治療法もない。
毎週待ち合わせをしていた彼のところへ、老婆の役を演じているのだと嘘をついて会いにいく。
彼は笑って受け入れる。彼女に自分のひいおばあちゃんとのエピソードを思い出したりして。
しかしそのうち、彼女には曜日の感覚すらなくなっていく・・・。

(単行本:ロストハウスに収録)

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